価値観の変化

「世の中には数々の武芸流派がありますが、
それも優劣の差はないといわれますか?」

「そうです。」

「では先生にお尋ねします。
優劣の差がなければ、なぜ技を競うのですか?」

「あらゆる武術には優劣高低の差はありません。
使うものの技倆だけです。
試合を通じて己の真の姿に向き合う。
本当の敵は恐らく己自身だからです」

映画「SPIRIT」より

 

昨日の中豊島指導からの帰宅後、
本部道場では、内藤先生が1人残って
サンドバッグの打ち込みをやっていました。
試合まで後2週間、お互いベストを尽くしましょうね。

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20代前半で燃え尽き症候群になって競技の世界から離れ
40代後半から再び試合にチャレンジするようになってから
稽古への取り組み方の価値観というのが
大きく変わったように思います。

空手を始めた当初は

ケンカに強くなりたい

試合(組手)に勝ちたい

と思っていたのが、いつしか

技を極めたい

不動不乱の心を身につけたい

との思いへの比重が多くなっています。

まあ、前者の考えががまったくないかというと、
そうとも言えないのがまだまだ未熟なところです(笑)

しかし、仕事や空手を通じて多くの人との出会いがあり、
その中でもそれぞれの世界でトップとして活躍している方は
一様に人との比較や競争という相対的な世界で物事を考えておらず、
自分の理念・目的の達成のために日々努力をしている。

そしてそれらが勝利や成功という相対的な部分においての
結果にもつながっているのですね。

そこから自分自身の考え方も変わってきたように思えます。

勝負の世界において、勝つということは
そのための技術を持っていなければならないし、
その技を乱れなく出せるための心ができていなければならない。

自身の心・技・体を練り上げ、磨き上げた結果が勝ちにつながるのなら
強さの本質は自分自身の中にあるということです。

自分の試合について思い出してみても、
勝つために多くの練習はしてきたけれども
結局負けた時というのは、相手というよりも
心折れてしまった自分自身の弱さに
負けてしまっていたように思えます。

ただ勝ちたい!という思いだけでやっていた20代の頃から
今は、他人との比較やその場限りの勝ち負けに心とらわれず、
自身の理想とすべき技が出せたか
心居つかず、乱れず、平常心で臨めたか

そういう視点で日々の稽古に取り組み
試合に臨むことで、新たな世界の広がりを感じられるようになって
まだまだ多くの気づきや発見があり、楽しさがいっぱいです!!
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