【練習の質の高め方】

今回はいきなり結論から。

ワンプレイや1球を大切に扱う事。
これが練習の質を高める方法なんですね。

練習時間が少ない、練習場所の確保が難しい、などの
環境的"弱者"のチームは練習の「質」をいかにして高めて
効率よく選手の能力を伸ばしていくかが大切なポイントとなります。

チーム指導に行った時に、よくアドバイスをするのですが、

「考えずに1000回やるよりも、10回でもいいから
考えてやった方が、はるかに早く身につくんだ」

と言っています。

例えば、野球でノックの練習の場合、
すぐに「もういっちょう!」ではなく、
1球ごとにボールにピントをしっかり合わせる事に意識を向けさせ、
キチンと取ってファーストにコントロール良く投げるところまでの
イメージをしっかりと湧かせてから次の1本に進みます。

1本当たりの時間はかかりますが、毎回正確なプレイを
脳にフィードバックして身体に覚えさせますので、
ただ数をこなすよりも効率的に技術を身につけることができます。

また、バッティング練習においても、今は何回なのか、
ランナーがどこにいるか、カウントは何か、
出塁する、ランナーを進めるにはどれだけの方法があるのか、
どこを狙って打つのか、ゴロを打つのか、フライを上げるのか、

こうした事を毎回シュミレーションし、必ず一点集中の儀式を
してから打席に入るようにします。

本番の試合では「もういっちょう!」はありません。
だからこそ、練習での1球を大切にしなればなりません。

サーブやシュートの練習なら、1球目から狙ったところに
キチンと打つつもりでイメージを湧かせ、集中してから
打つのです。

練習で打っているうちにだんだん調子を上げていくやり方を
身体に記憶させていれば、試合でも調子がよくなってくるのは
試合の中盤から後半にかけてから、という事になってしまいます。
スタートダッシュが大事なスポーツにおいては、これは致命的ですね。

練習のための練習ではなく、すべてが試合の1球、ワンプレイに
つながっている事が選手の意識や集中力を高める事になります。

メンタルトレーニングというと、練習前に寝ながら呼吸法や
イメージトレーニングをするもの、というような印象が
強いのですが、練習時間の少ないチームなどで、そうした事を
行なうのは無理がありますね。

それなら練習の中でメンタルトレーニングを
使えるようにすればいいんです。

こうした1球ごと、ワンプレイごとにイメージを湧かせ、
集中して取り組む方法もひとつのメンタルトレーニングです。

みなさんのチームでも、この練習の「質」を高める事に
意識を向けて取り組んでみてください。